山行記録

HAPPY BIVOUAC



秋の鳳凰三山-テント背負ってひとり縦走(夜叉神峠〜御座石温泉)

2009.10.12

■1日目-甲府駅(バス)→夜叉神峠登山口〜夜叉神峠〜南御室小屋(テント泊)

新品になって還ってきたグレザックを試してみたいなと思って手頃な山を探していると、南アルプスに鳳凰三山という登りやすそうなところを発見。
去年登った北岳に向かい合うようにして並んだ山で、そのまま稜線を辿っていけば甲斐駒まで行けるという。でもさすがに甲斐駒までの一泊二日はきつそうなので、今回はオベリスクという石塊が山頂にある地蔵岳を巡って青木鉱泉か御座石温泉に下りるルートにしようと決定。
ただちょっと心配なのはこのあいだ夜中ランニングしていたときに左膝の後ろに感じた痛み。膝だけではなく足の甲が見た目にもはっきり盛り上がっている。アーチ部分が故障しているのだろうか、膝と甲両方来たらまずいな…、ただ今回は危ないところはないので、のんびりと歩けば大丈夫か…ということで行くことに。

しかし、僕は自分の性格すらしっかりと把握していないお馬鹿さんなのでした…


甲府駅に着いたのが8時過ぎ。バスの出発時間まで一時間以上ある。ひとまず駅ビルのトイレを使わせていただく…(ここはウォシュレット!コレ結構重要なのは経験すればわかること…)
バス停にザックを放置し小腹が空いたのでパンを買い、信玄像(だよね…)の前で食べる。後で知ったのだが、ちょっと裏に行くとモスとかあった…

バス停に戻るとザックを持った人たちが並んでいたけど、北岳の時とは違ってずいぶん少ない。まあ、連休の最終日だからね。
全部で10人くらい。そのうち広河原まで行くのはたったの3人。なんだかゆる〜い感じ。

バスの中で前に座った人がマックかなんかのセットらしきものを食べてたんだけど、あのかさばるゴミをどうすんだ?

天気は曇ったり晴れたり。首を伸ばして覗いてみるが、山の上はガスって見えない。でも風はなさそうなのでなんとかなるだろう。


10時頃夜叉神峠着。
まずは水の確保…、地図には水場があるとは記されていなかったんだけど、水道くらいはあるだろうと付近を探す。休憩しているバスの人に訊くと茶屋の中でもらえばいいんじゃない?という返事。この人たちは仕事で僕は山に登ろうとしている。なんというか快不快とは異なった温度差をはっきり感じた。
一応茶屋に入ってみたもののやはり悪い気がしてトイレの水を汲むことにする。考え過ぎか…

バスで来た人はもうほとんど登山口から登っていって、僕とあとひとり同じくらいの年かなーという人が残って用意をしていた。靴擦れ対策に今回もテーピングを巻く。親指と小指それから踵の後ろ。登りは特に踵側が擦れるから念入りに…。早くちゃんとした登山靴を買えって?いや、今年はもう登らないと思っていたもんで…
さて、と僕の方が先に登り始める。きっと彼も後ろを歩かれるのが苦手なんだろうな…
結構肌寒いけど半袖で登る。湿気が残っているようでひんやりとまとわりつくような冷気。それもすぐに心地いいものへと変わっていく。


暗い木立の中を歩く

コケは少なめ
道は大きな石はなく登りやすい。だけど調子のよろしくない左膝を慮ってゆっくりと膝に負担をかけない登り方を試しながら登っていく。


11:15夜叉神峠小屋着。
頭上がぱっと明るくなったと思ったら小屋に着いた。でもガスが取れていなくて眺望は利かない。結構人が休んでいてまったりした感じ。まだまったりするのは早い!待っても晴れなさそうなのでそのまま素通りすることにした。

寝不足か標高を上げてきているせいか頭がボーとなっている。
ひとりとすれ違う。道が下りになっていく。周りには誰もいない。
…あれ?
急に不安になって立ち止まり地図を見る。
小屋からは登ってきた道を含めて4方向に道が分岐している。…う〜ん。もし間違えていたとしてその間違いに気づくのは30分くらいかかりそうだが、戻って確かめるのはめんどくさい。今日はせいぜい5時間くらいのコースだから間違ってもいいや、とそのまま進む。今度からはしっかりと標識を見るようにしよう。

1時間を過ぎた辺りで間違いではなかったことが判明しずんずん進む。腐葉土のような地面で膝に優しい。寒くはないが気温は低いらしく、Tシャツに染みた汗が白くなっている。
木立の中で足には優しい道だけどどうにも物足りない…
眺望が利かないというのもそうだし、時々出ているらしい陽に当たることも出来ない。なんとももどかしい。
大崖頭山も杖立峠もいつ通過したのか気づかなかった。ちょうどひらけたところがあったので、昼食をとることにする。
ひと組の夫婦が居て挨拶すると、話し好きのおじさんだったようで次々と言葉を投げかけてくる。人の選り好みが激しい僕も山の上ではあまり嫌な思いをしたことがない。なにぶん回数が少ないというのもあるだろうが、あまり人が行かないようなところ出逢う人というのは、やはりどこか共通するものがあるのだろう。だからこそ線が交わるのであって、話しやすかったりすることが多いのも不思議ではない。…これは別に人が集まる集まらないにかかわらず云えることか。ただ、街では人が多すぎて見えにくいというだけだ。
ここでは昨晩自分で握った塩むすびを食べた。ふたつ持ってきたのだが、大きすぎたようでひとつで充分だった…

名無しの峠

南御室小屋
14:00南御室小屋。
なんやかんやいって飛ばしてしまった…
本当のところまだ先に行って明日の行程を軽くしたいのですが、次の薬師岳小屋はテント禁止。その次の鳳凰小屋まで行ってしまうと明日はただ下るだけという何ともつまらない日になってしまうので今日はここでストップ。
まずテントを張って、残りの塩むすびを食べて昼寝でも…
小屋の人たちが薪割りする音が響いてます。それ以外に音はしません。寝袋をかけて本を読みます。山には軽めの本がいいということで今回は森敦の「酩酊船」
なんとなく大島行ってみたいな〜とかここんところずっと思っていたら大島が出てきて”お〜久しぶりのこの感じ!”

寂しげな僕のテント。隣にもうひと張りありました…

蓋の熱で温めます
寒っ!気がつくと日は傾き外は鼻水が垂れてくるほどの寒さ。そして…左膝が痛い!疲労も手伝ってまともに動かない状態…、時間に余裕があるのに無理して急ぐからだ…反省。
あんまりお腹はすいてないけど夕飯を作ってしまおう。今日はカレー。ザックの食料袋を取り出すと米が3食分にカレーが2食。ラーメンとパスタってそんなに誰が食うんだっ!明らかに多すぎ…
なんだコレ昨夜荷造りしながら北鎌でも行く妄想でもしていたんだろうか。完全に遭難するみたいな用意周到振り…、コレじゃ明日たいして荷物軽くならないな…

今回お米は玄米100%。なぜか。米屋がそれしかないって言うモンだから…
でもこれですね…、家で一回炊いてみたんですが、鍋に全くくっつかないということが判明。これはいい!もともと僕は白米食べない方なんで(七分搗きか五分搗き)玄米だけでもあんまり抵抗なくいけました。家でハンバーグ載せたのを食べたらかなり美味かった。カレーもいつもより香ばしくて良かったです。しかし鍋に関しては結局カレーかけちゃうから汚れ方は変わらんということでした…
山での食器の後始末はいつも迷う。TP(トイレットペーパーね)で綺麗に拭ってから水ですすぐという風にやってはいるんだけど…他のみんなはどうしているのか。あんまり食器洗ってるひとって見ないよな…
歯を磨きに水場に行くと小屋から出てきてたばこを吹かしている小屋のオヤジと遭遇。
受付してくれた若い子は何ら説明らしきものをしてくれなかったが、それを知ってのことかオヤジがトイレの案内をしてくれる。ちょうどしたかったのでナイス!とついていくとオヤジが用を足し始めたので、余計に一周してから(ナニやってんだっ!…)使わせていただいた。
「夜は氷点下まで行くよ〜」オヤジは暖炉のついた小屋の中へ入っていった。


激寒!!
寝袋カバーもつけてるのになんだコレ。八ヶ岳の時はテント凍ったけど眠れたよな…、昼寝したのが良くなかったのか…、Tシャツとパンツで寝てるのがいけないのか…、でもこれは譲れない。やはり体を暖めるために酒が必要だったか…
まあ、本でも読んでればそのうち眠気がやってくるだろう、とヘッドライトを点けて「酩酊船」を読む。う〜む、大島いいな。行きたいな。冬は寒いのかな…

しばらくうとうとしてたかと思うと寒さに目覚める。コレを何度か繰り返していると腰が痛くなってきてますます眠れなくなってくる。そろそろいいだろうかと時計を見るとまだ23時…
あまりにも眠れないのでテントから顔を出してみる。オオ〜星だ。これだけ空気が澄んで冷えていると星の輝きも違うぜ!
ああ、明け方が恐ろしい…




editor's note
またまたお目にかかります。今年は八ヶ岳で終わりだろうと思っていたのですが、手軽そうな山でちょっと魅力的な箇所があったので行ってきちゃいました。
ホントは甲斐駒まで行きたかったんだけど膝の具合と体力的にきついと思って断念しました。
日光では早すぎて見られなかった紅葉を期待していたんですが、今年は天候の具合であまり鮮やかな色にはならなかったらしいのと、そのささやかな紅葉も先日日本列島を縦断した大型台風のせいでみんな散ってしまったとさ…
写真に色がないんで寂しいですね…

2日目につづく…